ハンドコイルガン改修計画

さて、一応形にはなったハンドコイルガンですが、更に改修を加えてパワーアップを図りたいと思っていました。
ここでは、完成後に行った改修の記録を載せていこうと思っています。


第一次改修 【チャージ速度の向上】

これまでは、千石電商の単三×6の電池ボックスを使用していたわけですが、どうもコレが枷となってしまっている。
電池ボックスの端子部分が、9V角電池で使うようなスナップになっているんだが、スナップ側に付いている導線が非常に細く、コレが抵抗になってしまっているのである。

そこで、ちょっと太めの線に換装してやった。ちなみにこの写真の左はスナップについてる物、右は換装したφ2mmの物。「大電流流したいんならもっと太いの使えば?」とか思うかもしれないが、切り替えスイッチ等にもこの太さのリード線を使用して配線しているので、バッテリーまでだけ太くしても他がその太さならば変わらないだろう、と考えてこれにした。

また、ラジコン用のニッカドバッテリーを自宅で見つけたので、このバッテリーを使えるようにしよう、と言う事で合うコネクターを付けてやった。
一応電池ボックスの方にも配線し、同じようにコネクターを付けてやったので、引き続き単三乾電池×6でも駆動させる事が可能である。
ただし、コネクター部が大きくなったので電池ボックスがグリップ内に納まらないようになってしまった。保持方法を少し工夫しなければいけない。

導線を変えて、ラジコンバッテリーを使用した場合のチャージ速度は劇的に向上し、20〜30秒ほどでチャージが終了するようになった。
単三乾電池6本でチャージしていた時は1分半〜2分以上かかっていたので、かなりの性能向上である。
しかし、ただ換装しただけで試運転した時はトランジスタが熱々、チョークコイルも熱々になってしまっていた。というか、トランジスタに付いているヒートシンクを触ったら火傷しかけた。
そこで、ちょっと調整を行う。

昇圧回路の中の半固定抵抗、こいつを調節してやる事でスイッチングの周波数を変える事が出来る。
触ると火傷しそうなほど熱々になってしまっていたのは、スイッチングが遅すぎたせいでコイルに5A以上の電流が流れ、コイルが飽和してしまう事により、蓄積できなくなったエネルギーが熱となって出てきてしまい、結果として火傷しそうなほどにまで温度が上昇したのだと思われる。
そこで、半固定抵抗を調節し、周波数を上げてやる。
すると、動作中にヒートシンクに触れてもほんのりと暖かい程度にまで温度が下がった。チャージ速度も変わらず20〜30秒程度である。
自宅に数Aまで測れるテスターが無いのでかなりカンで調節してしまったが、コイル等のスペックから見て2〜3A程度が流れるように調整してやると良いと思う。
周波数を上げすぎると、今度はコイルにほとんどエネルギーが蓄積されていない状態でスイッチングされてしまい、結果としてチャージ速度が遅くなってしまう。試しに最低まで半固定抵抗を回してみたところ、チャージに1分以上かかった。
加減が大事である。

追記。
トランジスタが暖かくなる程度まで温度上昇するが、7.2Vニッカドバッテリーで13秒フルチャージを記録。
トランジスタの発熱加減を考慮するとこのぐらいが実用限界かな?



第二次改修 【AC駆動】

充電可能なニッカドバッテリー駆動にしたのは良いが、やはり電池、使っていればいつかは切れてしまい再び充電しなければならない。
自宅などで撃つ場合でも、数発撃つたびにバッテリー再充電というのは非常に面倒である。そこで、コンセントからでも電力を取ってこれるように改修する。

今回白羽の矢が立ったのは、部屋の隅に放置されていたUSBハブのセルフパワー給電用のACアダプター。
このUSBハブは昔安売りされてて買ってきた物なのだが、「使ってるとハブが熱暴走する」という欠陥品だったので、外して放置してあった物である。
ACアダプターのスペックは5V、2.6A。前に安定化電源でコイルガンに給電した時に何A流れていたかを見たら2A程度だったので、使えると判断した。

ACアダプターの種類のよっては、製品の本体側の接続部分に平滑回路が入っており、繋ぐ事でようやく電源として機能するものもあるようなので注意して欲しい。
ACアダプターがどれでもそのまま直流電源として使用できると言う訳ではないのである。
・・・まぁ、平滑用の適度な容量のコンデンサを挟んでやれば解決しそうな気がしないでもないが。試してないけど。
今回使用したACアダプターは、どうやら平気らしく、そのまま使用する事が出来た。

ACアダプターのジャックを、コイルガン本体側のコネクターに変換する変換コネクタを作ってやる。
第一次改修でやった時のように、また周波数を微調整してやる。電源電圧を変えるたびにこまめに周波数を変えたほうが良いので、小さなドライバーなどを持ち歩いていると便利だと思う。

ちなみに私は、キーホルダーにこのような小さなメガネ用ドライバーを付けて持ち歩いている。
最近は100均などでも同型のを見かけるようになった。


充電時間は30秒程度。電源電圧が5Vなので、低い分チャージ速度もかなり遅くなるかと思ったが、実際の所1〜2秒程度しか変わらない。
まったく気にならないレベルである。というか、正確にストップウォッチで測らないと気付かない。
ともあれ、これでコンセントから給電できるようになり、室内ならばバッテリー切れの心配をしなくて済むようになった。


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